ざっくりまとめると、これ単体で1本のゲームとして見れば間違いなく良作、既存版権の派生作としてはギリギリ落第点ぐらいのゲームだと思いました。
善と玲及び迷宮の真相に辿り着くというメインシナリオ、世界樹ベースのライトなRPG、かわいいグラフィック、本編よりもかなり親切になったシステムは手放しで礼賛したい反面、キャラクターのほぼ全員が悪い方向に単純化されたサブシナリオや退屈なギミック、持ち物上限の鬱陶しさやエンカウント率の高さなどの部分には、かなり改善の余地が残っているのではないかと思います。この価格帯にしてはボリュームがある方ではあるけど、大半がギミックと雑魚敵にかかる時間だしなー。
システム面も親切にはなってますし、サブペルソナなんかは面白かったけど、ペルソナ+世界樹+易しい調整!の三神合体が事故起こしちゃってる部分が多々あるのは否めない。
あと個人的には、戦闘曲の曲調に幅がないこと、ダンジョンの曲が環境音寄りであまり印象に残らないこと、せっかくの本編曲アレンジが殆ど流れないことなど、BGM面もちょっと哀しみの残る部分がありました。サントラ見てるとイベントや劇伴の曲がかなり多いですが、それよりは戦闘曲にもっと曲数を割いてほしかったなあ。ゲーム内で流れてる時間の長さが全然違うんだからさ…。
まあ一番の問題はキャラクターの扱いですけどね…。
ここさえ良ければ他が多少アレでも問題ない派です、私は。
P4U(2)のストモもゲームとしては完全に虚無だし、お世辞にも出来のいいお話とは言い難かったですが、各キャラが黄金の精神で真面目に異変解決に取り組んでおり(肉エンドと弁当エンドの話はするな)、きちんとキャラの長所が押し出されるシナリオだったので少なくとも不快感は無かった。
明確に悪化____…雪子、クマ、ゆかり
単純化______…千枝、陽介、完二、りせ、順平、美鶴
ややマシ(神聖化?)…直斗、荒垣、コロマル、天田
個人の感想。主人公二人は本編で性格が決まっていないので割愛。性格の単純化は、開発曰く「性格の特徴を強めに出さないと空気になってしまう(設定資料集、p194)」という懸念があってのことらしいですが、だからって性悪化・アホ化させるのは違うでしょう。
「『P3』『P4』のどちらか、あるいはどちらも遊ばれてないユーザーさんにとっては、知らないキャラクターの性格を早めにつかめないと遊びづらいのではないか(同上)」との話もありましたが、多くのパイを占めるであろう既プレイユーザーが落胆する可能性についても少しは考えた方がよろしかったのでは。
…というかキャラの性格をつかめないと遊びづらいって何?恋愛ゲームや推理ゲームじゃあるまいし…
世界樹のシステム楽しい!P4のキャラかわいい!
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なんかみんな性格悪化してない?まあ迷宮は面白いからいいか…
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はーっ稲羽郷土展よ早く終われ!
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玲の事情マジか…早く助けないと…
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ギャアアア時計塔が長すぎるーッ 助ケテクレーッ
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なんだかんだ楽しかったな!完!
みたいな。情緒ジェットコースターゲーでした。おすすめです。