グノアニ 1・2話

【2話】 原作のLOOP2 + 恋人宣言イベ + しげみちステラ登場回序盤
原作ではジナがグノーシア固定、エンジニア初登場回である。LOOP1が一切ヒント無しの当てずっぽうバトルで不安になったそこの君も安心!てな気の回し方だが、アニメだと相も変わらず当てずっぽうバトルなのだった…。

初心者プレイヤーが読みミス、セツが無駄に目立つ、SQが付和雷同、ラキオがうるさいという何度見たか分からない流れが良く再現されている。アニメオリジナルの部分こそ多いが、キャラの動きは原作を感じさせる。
議論がいい感じになってきたところで、持論にこだわるラキオがギャーギャー言い始めてヘイト吸って「ラキオ~💢💢💢」ってなるのがあるあるすぎて笑った。
自分からはあまり発言せず、同調メインで自分に有利な流れを作るムーブをジナがやっていて、グノ側としては100点の挙動だと思った。実際のゲームだとグノ沙明辺りがよくやってるイメージ。2日目にSQを残したのもグッド判断。

「こうしてSQちゃんは、今日も涙橋を渡るのであった…ぽろり」の入れ方の上手さもさることながら、その台詞を聞いたジナが申し訳なさそうにしてるのがよかった。このSQちゃんはSQちゃんなので、ジナからすれば冤罪を押し付けてイジめてるのは心痛ものだろう。
セツが恋人COしたときのSQちゃんかわいい。「ハウー」みたいな音漏れとる!


◆ジナへの信頼について

またも無根拠で女に騙されたことでハニトラが様式美になりかけているユーリ。
なんで一緒に船外作業したらジナが信頼できるってことになるんだよあーっ!?
現時点だとユーリ(+アニメ勢)は「グノーシアは人を消す」ということしか知らず、人狼同様に「消される≒殺される」のようなイメージでいるのではないだろうか。そこを利用して、

船外作業中にユーリが危険な目に遭う
→ジナがそれを助け、大事には至らずに済む
→「グノーシアは人類の敵…ジナがグノーシアなら、僕がさっき事故で死んだ方が都合が良かったはずなのに助けてくれた。つまりジナは人間なんだ!」

ってなる方が納得感があっていいと思うんだけど。この後、グノーシアの目的は人間の死ではない…むしろ生きていてもらわないと困るのです、異星体グノースに送れなくなるからね…てな話に楽に繋げられるし。

このアニオリについてはこの後のアラコシア星系イベ(やるのか?)にも繋がるいい改変だと思うだけに、信頼できると思った理由をちゃんと作っておいてほしかったなあ。元の話にあったエンジニアCOをオミットするなら、それに見合う理屈を新しく挿入すべきだ。


◆世界線の説明について

原作では「ループにより、時間が巻き戻りました。そのため、誰がグノーシアで誰が乗員か役割が変化しています」というシステムメッセージで済まされている部分。アニメではラキオがご丁寧に解説してくれたが、これもちょっと謎が残る。

ラキオの事なので、ユーリのループは銀の鍵によるものだという事にはすぐ思い当っているだろう。「生命体」って言ってるしね。なので、そこから銀の鍵が寄生主を飛ばす世界線はカオス理論的な振れ幅を伴うという事前知識に辿り着くのは当然といえる。

問題はここからで、その理屈の披露の仕方に難がある。アニメのラキオの説明だと、「複数の世界線同士は必ずしも同一の状況とは限らない」ことの説明にはなっても、「ユーリがループし臨場する世界が必ずしも同一の状況とは限らない」ことの証明にはならないからである。「銀の鍵」という単語さえ出してその性質を説明してしまえば、両方の事実が保証されるが…なんと一言たりとも出していないのである!

つまりユーリ(+視聴者)の視点からすれば、「毎回同じ世界線の同じ日に飛ばされている」可能性がまだ否定できない。実際、船に乗ってる面子も同じだし。この直後のループではステラとしげみちが出てくるので、その可能性が(消極的に)排除されるが、ループ1とループ2、そしてユーリとラキオの会話だけでは証明できないことを無理くりに言い張ってしまっている。

アニメ的にはまだ銀の鍵の機序を虎の子にしておきたいのだろう。そして後々ババーン!実はセツが~ラキオが~ってやりたいのだろう。そうであろう?しかしそのせいで今回のラキオの説明が片手落ちになっているのはもったいない。

◆「わかった?」について

あとセツって毎回促成学習明けの主人公に「わかった?」って言ってたの?
LOOP開始前の主人公に対して言うだけでよくない?

セツ視点では治療ポッド入りの主人公と一緒に次元の扉をくぐった後が、その主人公のLOOP1であることが確定しているわけだから、セツが何周目だろうが、その時以外の主人公はLOOP2以降(=促成学習済み)だってわかるじゃないですか。ならわかったかどうか訊く必要は無いよね。

謎ランプといい、アニオリ部分は演出優先で理屈が伴わないのが嫌なんだよなあ。ゲームをアニメに翻案するにあたってオリジナルを入れようとする試みは全く悪くはないが、そこがツッコミどころというアキレス腱になっちゃってる。