グノアニ3・4話

【4話】
原作のLOOP5(夕里子初登場)と、ちょっとだけLOOP11(セツがプレイヤーにだけグノCO)。
3話がパッとしない溜め回だったので、今回こそ何かあるのでは?と期待したが、ユーリがセツとふわっと信頼を深めて終わった。個人的に苦手な感じのふわふわエモ系アニオリだった…。

夕里子が思てたんと違う!何ヘラヘラ座ってんの!
もっと凛とした佇まいでビシバシ決めてるイメージだった。生きのいい他の乗員たちに押し潰されてしまいそうな細い身から、冷たく通る声が発せられる度に、みな口を噤んでその意見を聞いてしまう…。みたいな。カリスマ50ってそういうことでしょ。

カリスマを発揮して吊る対象がしげみちっていうのもなー。とりしげなんぞ誰でもできるわ!見た目を理由にするっていうのも適当すぎるし。しげみち乗員だったし。
今回はSQ&ラキオがグノで、”何かを知っている”風な夕里子が、些細な態度や言葉尻を理由になんとあのSQを吊る、みたいにしてほしかった。それともグノSQ吊りは最終回まで取っておかれるのだろうか?

あとユーリに対して親切すぎる。
少なくとも序盤は「敵でも味方でも恐ろしい人」ってイメージをガッツリ植え付けてこないとダメでしょ~。「そして星々はお前を見ている」でBGM止めたりしろ!
この夕里子が例の掃除機やったら「黙りなさい、ユーリ♡ お前の意見など聞いていません♡」みたいになりそう。

こちらに一瞥もくれないまま
「何も分からぬならば、誰でも同じこと。記憶喪失を偽っているならばそれは疚しい立場にある証拠、真に記憶喪失であるならばまともな判断力を持ち得ない可能性が高い。自らの命が惜しいならば、先ずはユーリを凍らせなさい」
とか言って、記憶喪失を根拠に疑ってくるのはラキオと変わらないんだけど、簡潔かつ説得力のある物言いによって周りが「確かに~」ってなって慌てるみたいな下りがいるでしょ。

あと半端に原作台詞入れすぎて変ですね。
夕里子語録は適切に使わないとただのイタい中二病だぞ!誰も話聞いてくれないぞ!
狂言回し(←急に何!?)
迂闊な行動(←お前の行動の方が変だろ!)

かといってアニオリ台詞も違うんだよなあ。
耳で聞く前提で書いてるからか、説明的すぎるんだよね。学芸員の人みたい。
「そうとは限りません。グノーシアは人間を襲い消滅はさせますが、命を奪いはしないとも言われています。魂を別のところに移すだけだと」

「グノーシアは人を襲い消滅させる。しかし命そのものが消え失せるわけではない、と言ったら?肉体という容れ物から解放された魂の、向かう先がある…そう耳にしたことはありませんか?」

ク~ッ!言ってる意味が分からねえ!書いてるこっちが恥ずかしいぜ!
アニメでやったらただの事故!でも私は夕里子にこうあってほしいんだ!

夕里子の場合、常人よりも大局的に物事を見ているからか、能動態より受動態、自動詞より他動詞をメインにして話すと思うんですよね。
「個人が特定の行動を行う」ではなく「全体のシステムの一部として、特定の行動が行われる」という風になるよう言葉を選ぶ。「AがBに○○する」ではなく「BがAに○○される」みたいな。
上の台詞も、「そうとは限りません。グノーシアに襲われた人間は消滅しますが、命まで消えはしないとも言われています。魂が別のところに移るだけだと」ならまだマシだったな。え、違いが分からないって?人間風情が……

正直「そうとは限りません」の時点で相当な違和感があるけどね。こんな断定口調で話せるような事実をホイホイ寄越す人ではないから。だから打倒夕里子のイベントは大変なんですよ。
「とも言われています」「移すだけだと」の部分も、いかがでしたか系サイトみたいで全然ダメだし。確固たる事実を知った上で、明言を避けつつ先が気になる言葉選びで弄んでくるという素敵な趣味をお持ちなんだよ。

「どうなのですか、お前」は単に日本語として違和感があるからヤダね!
つか頑なにユーリ以外の名前呼ばないの何?「どうなのですか、セツ」でいいじゃん。
いや夕里子にしちゃ弱圧だな。「ステラの証言が事実なら…セツ、お前が疑われるのは自明の事。…ふ、返す言葉もないようですね」位の圧をかけろ

個人的に、ともすれば淡々と進んでしまうグノーシアというゲームを時折ぐっと暴力的に引き締めてくれるのが夕里子という存在だと思っているので、今話の夕里子を「ただ変なこと言ってしげみち吊って終わったやつ」で終了されたのはガッカリした。
私、思ったより夕里子様のこと好きだったんだな…。

しげみちへの満票といい、アイアンクローで歪みブレイクの演出といい、アニオリを入れつつ半端にゲーム風なのが却っていけ好かないなあ…。
銀の鍵を取り出して「おーっ雫が溜まってる」みたいにするのも、ゲームからの翻案としては悪くないけど、折角アニメにするならもっとドラマチックにしてほしかった。銀の鍵の”知りたがり”がユーリの思考に影響を与えてほしい。今は「ループを抜ける」事しか頭にないユーリが、どんどん周りの乗員について知ろうとしだす、そういう成長が見たい。その動機として銀の鍵が存在すればよい話。

ゲームの主人公には大した選択肢も無いが、アニメの意思を持った主人公であればもっと色々出来るはず。
「僕は○○のことを誤解しているんじゃないか?」
「もっと本心を知るには…そうだ、過去について聞いてみよう」
「ああ、グノーシアの○○の方が素直なのか」
「なら今回のループでもっと接近して聞いてみよう。折角お互いグノーシアなんだから…!」
みたいな風にユーリが考えて動いて、それで知った情報で鍵が埋まっていく方が、固定主人公の意義があるんじゃないだろうか。どうでもいい情報で銀の鍵がはごろもフーズしました!ワーイ!つって喜ぶ視聴者がいるのか?

←Bパートを見ているわし

ユーリとセツとのセカイ系謎イチャイチャについては特に言うことも無いです。「想像通りだったかな…♡」って、その試し行為は100ループ越えてるセツが今更やるようなことじゃないだろ!つかアニメの4話でやることでもないし。いつからユーリはそんなにセツに入れ込むようになったんだよ!
どうでもええわ、ユーリの内面世界とか。あとセツのオサレ振り向きが解釈違いでした。

夕里子でこんなに怒れるなら、次のシピコメ回なんてどうなってしまうんだ───!?
既に猫シピの初手「フシャーッ!」で「は?」ってなりましたけどね。あんなに優しいシピが初対面の相手を威嚇したりするわけないだろエアプか?